大阪市立大学大学院 システムソリューション研究分野
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ワークショップレポート
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ワークショップ・講演録
講演日時 2007年11月28日(水) 18:30〜21:20
講演場所 大阪市立大学大学院 梅田サテライト 102教室
講  師 デジタルハリウッド大学院大学教授  メディアサイエンス研究所
セカンドライフ大阪研究室室長 栩木雅典(とちきまさのり)氏
講義内容 Second Lifeについて
報告者 亀田裕和、川端昌宏

講 演 内 容
■経 歴
学生時代にバンド活動、コンピュータミュージックの黎明期にマイコンで電子楽器を鳴らすプログラムを製作する。その関係で輸入楽器を扱う商社へ、映像機器も扱うようになり、3DCGに興味を持ち自作で静止画CGを製作する。その後、デジタル映像を製作する会社を立ち上げる。
学校関連では京都精華大学建築学科でVRMLを教える。サイバーアーキテクチャという実際には建てられないような建築をCG上で制作。大阪芸術大学非常勤講師など。
 
■現在、取り組んでいること

PinP(パーソンインプレゼンテーション)
Web上で実写動画をインタラクティブに扱う技術
(参考:http://toyota.jp/techno/)

Second Life(セカンドライフ)
欧米で急成長しているネット上の3D仮想世界。米国カリフォルニア州のリンデンラボが運営する。
参加者がネット上の仮想世界に自分の分身(アバター)を作り、仮想世界を冒険したり、他人のアバターとの交流を楽しめる。ただし、目的を持つと単純に楽しめない。
仮想世界では通貨としてLD(リンデンドル)が流通し、換金可能(米ドル)である。土地を購入して、家や店を仮想世界に建てることも可能である。
デジタルハリウッド大学院大学三淵啓自教授は「これは単なるゲームではなく、メールに匹敵する新次元のコミュニケーション手段」と言っている。(日経新聞)
Second Lifeは英語版のときから、すでに多くの日本人が参加していて、日本語版が出る前からアジアでのセカンドライフ参加者は日本が第1位である。全世界ではアメリカ、ブラジルに次いで3位(ドイツも同じぐらい)である。韓国語版が先に出ているが、韓国ではあまり普及していない。
 
■Second Lifeのデモ
[スタート]
  セカンドライフ公式ホームページ(http://jp.secondlife.com/)からの新規アカウント作成が基本であるが、難しいのでセカンドライフ参入支援サイト(http://meltingdots.com/)からが日本語の解説がわかりやすくて良い。ログイン後の進み方ガイド(ウォーカーオリエンテーション)もある。
[移動方法]
  アバターは歩く・走る、飛ぶ、テレポートする。
[アイテムの取得・変更]
  アバターはアイテムを購入したり、着替えもできる。(有料、無料のものがある)
企業などが話題性やPR効果を狙ってセカンドライフに参入しているが、すぐにお金につながるものではない。SIM(分譲領域)を買って、建物を建て、セールスプロモーションなど100万円〜300万円は資金が必要である。
放送局もセカンドライフに取り組んでいる。日本テレビ「デジタルの根性」はセカンドライフの中だけで番組を作っており、月に2回ぐらい収録をしていて先着で番組に参加できる。報道によると朝日放送も12月1日から進出する予定である。
3次元のゲーム性を持ったものからゲーム性をとったものがセカンドライフに近く、価値観を見出だせずに終わってしまう人が大半である。
 
■PinPのデモ
Adobe社のFlashコンテンツに動画(FLV)を部分的に読み込んでリアルタイムに背景と合成を行うものである。(画面の中に動画の人物が出てきて、いろんなものを解説するなど)
PinPを作る会社は日本では多くなく,有名なのはBFS(ベースメントファクトリープロダクション)という会社で最先端である。
3年前にトヨタ自動車のハイブリッドシティで製作されたのが走りである(http://toyota.jp/techno/)。車種ごとにサイトが製作されているので、タレントの出演料も合わせて1サイト億単位の費用がかかっている。さらに、不特定多数が相手となると、高性能なFlashビデオサーバーが必要となる。
当初は高画質な動画を使うことは考えられていなかったが、現在では放送用規格のハイビジョン映像の人間の部分だけ切り取って使っている。
表示サイズを大きくすると映像部分に走査線が見えるため、通常の映像では表示サイズを小さく固定する。ノンインターレース(プログレッシブ映像)に近づけるために映像をハイビジョンで撮影して、大きなサイズのコンテンツを安定させている。このために費用がかかる。
1つの画面内で2つの動画を制御することが可能である。たとえば、画面中にパソコンの画面推移を表示する映像、これを解説する女性インストラクターの映像の2つの映像を同時に再生する。途中で日本語のインストラクターが引き下がり、英語のインストラクターが出てくるなど。
表示する2つの動画の同期を取って再生するように調整するのが難しい。動画が重なる場面が生ずると動きに遅れが生じる。
映像撮影ができる人とFlashができる人が組み合わされば、PinPは製作可能であるが、高画質にすることや動画の同期をとることに技量が必要であるし、企画力がないと面白いコンテンツ製作ができない。
 
質 疑 応 答
Q1. 経済学の講義のビデオを撮って一方的に流しても、知ってる人しか解らないが、PinPの形であれば、解りやすくなるのではないか。
A1. 製作に手間はかかるが、パターン化して映像を差し替える形にすればよいのではないか。通信販売などの電子商取引には向いていると思われる。
Q2. 実際にPinPを製作するのにどのくらいの時間を要するのか。
A2. 生徒が作ったことがあるが、3ヶ月ぐらいかかっている。動画の同期を取るのに時間がかかるが、プログラミングは数日で可能である。
Q3. 動画の同期をとることが難しいようだが、ソフト的に解決できないのか。また、ハードウェアの進展で解決できないか。
A3. ソフトウェアツールの作成はメーカー(Adobe社など)にまかせるが、ハードウェアについては、ファイルにタグが埋め込めればよいので、今の技術で十分である。
Q4. 動画の中にタグを埋め込む規格は他にはないのか。
A4. PinPは特に特殊なプラグインを必要としないため、この点が優位となっている。
Q5. 実際のECでの事例はないのか。
A5. ない。コマーシャル的なものにとどまっている。PinPは説明力があるもののECショップにはハードルが高い。
Q6. セカンドライフに企業が進出する目的は。
A6. セカンドライフには、脱落する人が多い中で常時4万人前後の日本人が参加している。これらの人がキーマンとなって、口コミやブログへと波及し、広告宣伝効果を生み出している。また、企業は物理的に配布している宣伝用ビデオパッケージをWeb上のPinPで配信できれば良いのではないかと考えている。カタログもWebからPDFでダウンロードできるようになっている。
Q7. セカンドライフは今年の初めごろは儲かると注目されていたが、現在はどのような状況か。
A7. 最近まではセカンドライフ内でギャンブルが可能であったが、米国で規制されたので一時期利用者が減った。以降、増えてきている。実際、当初は仮想の土地を分譲して一部の人は儲けた。
 
以上

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